傷が付く前に!賃貸物件のフローリング傷防止対策
気が付くと付いている、フローリングの傷。賃貸物件の場合、退去時に高額な費用が発生してしまうことも。
本記事では、フローリングに傷が付く前に防止するアイデアやグッズなどご紹介。予防の観点から傷防止対策をまとめました。
目次
フローリングを傷つけないためには?
「傷付けた覚えがないのに…」いつの間にか付いている、フローリングの傷。リビングなど目立つ場所だと、特にショックですよね。
一度付いてしまったら、傷を補修するのは大変。だからこそ重要なのが、傷が付く前の対策なんです。
よくあるフローリングの傷の種類と原因
フローリングを傷付けないために、まずは傷のできる原因を探っていきましょう。
■傷の原因のほとんどは家具の移動によるもの
フローリングに傷が付く理由はさまざま。なかでも多いのが、実は家具の移動によるもの。
リビングにはテーブルや棚、ソファーなど、重量のある家具が多いため、少し動かそうと思うとつい引きずってしまいますよね。これが傷の原因に。
また軽い椅子なら大丈夫と思ったら落とし穴。動かしたときのこすれのように、ささいな傷が積み重なって目に見えるまでに変化する場合もあるんです。
■食器を落とした際にできる凹み
うっかり食器を落としてしまった…なんてよくありますよね。小さなお子様のいる家庭では日常茶飯事でしょう。
これにより表面がえぐれて、凹み傷ができてしまう場合があります。落とした食器の種類によっては、深い凹みになってしまうことも。
凹んでしまった箇所は、ほとんどの場合自力での修復は難しく、プロに依頼するしか方法がなくなってしまいます。
■ペットによるひっかき傷
さらにペットを飼っている家庭では、爪による傷は避けられません。
ツルツルしたフローリングの床は犬や猫にとって滑りやすいため、ふんばる力が爪にかかってしまいます。これによりペットが日常的に走り回ることで、フローリングの表面に無数の微細な傷が広がってしまいます。
と言っても防ぐのは難しいという場合には、犬や猫との暮らしに配慮されたペット用のフローリングもあります。
家具移動時にフローリングを守る方法
では一般的に一番の原因である、家具の移動による傷から守るためにはどのような方法があるか見ていきましょう。
■テーブルや椅子の脚裏にフェルトやクッションシールを貼る
テーブルや椅子の脚の裏に、直接貼るタイプのフェルトシールやクッションシール。100均でも手に入り、貼るだけで手間もかからないので、手軽にできる対策のひとつです。
ただ、使ったことがある方はきっと分かると思いますが…どうしても移動に伴い、ズレたり剝がれてしまうのが難点。
■家具用キャスターを利用した移動
キャスターとは小さな車輪が付いた金具のことで、イスやキャビネットなどさまざまな製品に取り付けられます。重いものや大きいものも、キャスターが付いていれば移動が簡単に。
ただ床とキャスター部分との間で摩擦が生じて、フローリングの表面に傷がついてしまいやすいため、基本的にはフローリング床の部屋には向いていないのです。
このようなキャスター付きの家具を使用する場合、カーペットを下に敷いたり、傷が付きにくい材質を選ぶなどの対策が必要です。
■引きずらないための移動補助グッズの活用
重い家具を動かす場面では、引きずらずに済ませるための工夫が必要。
てこの原理で家具を持ち上げて、台車を家具の下へかませて使う、キャリータイプの便利グッズがあります。一人で移動作業する際に非常に便利です。
入手が難しい場は、家にある毛布などを使って、うまく滑らせていくやり方もあります。引きずらずに済む状況を作りましょう。
おすすめのフローリング保護アイテム
それでは具体的な方法やアイテムを紹介していきます。
■フロアマットやラグの活用
一番手っ取り早く簡単なのが、フローリングの上にフロアマットやラグ・カーペットなどを敷く方法。効果の高さも期待できます。
広範囲で傷を防止したい場合や、しばらく移動する予定がない、置いておく家具の場合におすすめです。
マットやラグの素材によっては、フローリング上で滑ってしまうこともあるので、滑り止めを間に挟むなどの対策が必要な場合も。
■テーブル・椅子脚保護アイテム
手間と費用をかけず、ピンポイントに傷から守るには、テーブルや椅子の脚に専用カバーをつけるのがおすすめ。
100均でも販売されているため安価で用意でき、脚に被せるだけで設置も簡単。比較的ズレにくいのもGOOD。
またフロアマットと同じく滑りもよくなるため、引きずり音にも効果あり。洗えるタイプならさらに衛生的に使えます。
それでもカバーのズレが気になる時は、シリコン製のカバーも選択肢のひとつでしょう。
シリコン製ならカバー柔らかいため全体が滑りにくく、脚の形にしっかりフィットします。透明タイプを選べば、家具のデザイン性も損ないません。
□シールタイプの保護アイテムの長所と短所
先にもご紹介した、椅子の脚に直接貼るタイプのシールやテープの場合、費用的に一番安価で装着も簡単ですが、どうしてもズレたり剝がれてしまいがち。
また移動の際に埃やごみを巻き込んでしまい、それが原因で新たな傷になってしまう恐れも。粘着力が弱まったり、埃やごみが付いてしまった場合は早めに取り替えましょう。
■傷がつかないキャスターの活用
キャスターを使ってフローリングを傷つけないようにするためには、いくつかの方法があります。
まずはチェアマットを使用する方法。チェアマットはキャスターの動きによる摩擦を防ぎ、フローリングを保護します。特に、見た目にも影響が少ない透明マットが人気。
次に、キャスターの素材を変更する方法。硬いナイロン製キャスターより、柔らかいゴムやウレタン製のキャスターを使用すれば、フローリングを傷つけにくくなります。
□使いやすい家具用キャスターの選び方
では実際どのようにキャスターを選定するのがよいかみていきましょう。
ナイロンキャスターは、オフィスチェアで最もポピュラーなキャスターです。車輪の転がりに優れており、重量があるオフィスチェアも軽い力で動かせるのが利点。
カーペットとの相性が良好で、柔らかい床の上を抵抗なく移動するのに向いています。ただフローリングでナイロンキャスターのオフィスチェアを使用すると、床が傷つく原因となるため要注意。
ウレタンキャスターは、柔軟性のあるウレタン素材を巻きつけています。適度にグリップ感がありますが、自在に動かすことが可能です。移動時の摩擦が少ないため、静音性にも優れています。
フローリングやカーペットなど、ウレタンキャスターは幅広い床材に優れた相性を持ちます。床の傷つきにくさを重視する人は、ウレタンキャスターがおすすめです。
■専用アイテム「プラパート」の活用
一般的なアイテムをご紹介してきましたが、プラパートという専用アイテムがあるのをご存知でしょうか。
椅子やテーブルの脚先に打ち込んで装着するタイプの保護材で、家具作りのプロの場で多く使われています。床材に合わせて、5タイプから素材をチョイスできるのが魅力。
傷防止にはフェルト、滑らせたい場合はスリップ、硬い床にはタフネス、滑らせたくない床はウレタン、防音と傷防止を兼ね備えたセイオン。
そしておすすめポイントが、摩耗して交換が必要になった場合は下部だけ外せるところ。
簡単に新品状態にリフレッシュ可能です。一般にも流通していて、個人でも買えちゃいます。
フローリングが傷ついた場合の対処法
すでに傷ついてしまってなんとかしたい!対策しても傷ついてしまった!というそこのあなた。
小さな傷なら、自分で補修可能な場合も。まずは傷の状態を確認し、補修するか、プロの専門業者に任せるか検討してみましょう。
■小さな傷の補修方法
小さい傷の場合は補修用クレヨンで目立たなくなることも。床に塗るだけで傷を隠してくれる補修グッズです。
さまざまなカラーがあり、複数のクレヨンを合わせて床の色に近づけることができます。簡単に傷を隠すことができますが、あくまで目立たなくするという目的で使うといいでしょう。
ウッドパテは、木材の傷を穴埋めできる補修グッズです。傷のスキマにパテを埋め込み、余分な部分を削り取ることで傷を隠します。
補修用クレヨンより深い傷にも対応し、キレイに修理することができますが、その分難易度が高め。またあくまでも傷隠しなので、全く残らないようにするわけではありません。
■補修業者に依頼した場合の費用
自分で補修してみたけど、うまくいかなかった…。結局綺麗に補修するにはプロに頼むのが一番なんて場合も。
フローリングの種類や素材、貼り方、傷の大きさなどで費用は変わってきます。補修を依頼する際には、複数業者で見積りましょう。
賃貸物件の場合は補修自体大家さんの許可が必要な場合もあるので、先ずは確認してみましょう。
傷がつく前の予防が重要!しっかり対策しよう!
いかがでしたでしょうか。完全に傷から守るのは難しいけれど、対策方法は色々あります。
退去時に慌てないように、日頃のメンテナンスとアイテムを使ったひと工夫で、しっかりと予防しましょう。